アルペジエーター

アルペジエーターを使用すると、演奏のスピードや、演奏者や実物楽器の発音可能範囲を超えた音域など、人の手による演奏では不可能または非常に困難な複雑なパターンも演奏できます。

アルペジオの効果が付けられたイベントは、コントローラキーボードで演奏するノートに基づいた新しいイベントです。このイベントは、アルペジエーターのプリセットでリズム的かつハーモニー的に指定されているので、ほぼ無限の音楽パートを簡単なキー操作で「演奏」できます。

アルペジエーターの最大の特徴は、MIDIベースのパターンとともに、入力した独自のアルゴリズムを適用できる機能です。

ノートイベントに加えて、アルペジエーターはパン、ボリュームなどのパラメーターの自動化、さらにカレントトラックのエフェクトの自動化が可能です。

各MIDIおよびインストゥルメントトラックには、トラックビュー内に独自の統合されたアルペジエーターがあります。トラックをまたいで複数のアルペジエーターを実行すると、エキサイティングなメロディとリズミックな質感を実現できます。

アルペジエーターのコントローラには、トラックインスペクタからアクセスします。

図112. トラックインスペクタでアルペジエーターをコントロールする

アルペジエーターのコントローラ

アルペジエーターのコントローラは、次の表のとおりです。

表 41. アルペジエーターのコントローラ 

コントローラ	説明
Arpeggiator ON/OFF	トラック上のアルペジエーターをオン/オフします。このコントローラはMIDIリモートコントロールに設定でき、プロジェクトの再生中にリアルタイムに変更できます。
プリセットコントロール	アルペジエーターのプリセットを作成および編集できます。ユーザーのパラメーターはすべてプリセットに保存されます。 アルペジエーターの設定はトラックテンプレートに含まれます。 アルペジエーターのプリセットはファイルに保存して他のユーザーと交換できます。 アルペジエーターのファイルは共有ディレクトリに保存されます。 詳細については、パターンとプリセットの使用方法を参照してください。
Rate	すべてのノートのデュレーションを現在のテンポ分だけ変更することで、アルペジエーターのシーケンスの相対的な速度を調整します。このコントローラはMIDIリモートコントロールに設定でき、プロジェクトの再生中にリアルタイムに変更できます。
Octave Range	アルペジオで再生する範囲をオクターブ単位で設定します。値が1の場合、押されたコードは、ノートが送信されている元のオクターブ内にあるノートのみをアルペジオで演奏することを意味します。値が2の場合、押されたコードは2オクターブ分アルペジオで演奏することを意味します。押されたコードは常にベースオクターブを表し、その他のオクターブはより高音域の音となります。 標準のMIDI仕様よりも高い範囲を指定した場合、アルペジエーターは必要に応じて可能な限り高いオクターブでパターンを繰り返します。 このコントローラはMIDIリモートコントロールに設定でき、プロジェクトの再生中にリアルタイムに変更できます。
Latch	Latchを使用すると、キーを放した後もアルペジオ演奏が続けられます。 このコントローラはMIDIリモートコントロールに設定でき、プロジェクトの再生中にリアルタイムに変更できます。
Swing	選択したパターンに適用するスイングの量を設定します。8分音符、16分音符または32分音符のパターンを直線的なノートではなく、スイングノートとして再生できます。スイングの量は、0（スイングなし）～100%（最大スイング）の範囲で設定できます。
Velocity	アルペジエートされたノートのベロシティを元のノートのベロシティに対するパーセンテージに調整するオフセットコントロールです。
Duration	パターンにあるノートが、完全な長さまで押されるか、短いまたは長いデュレーションで押されるかをコントロールします。
Pitch Offset	半音単位で、最大2オクターブまで上下に調整できる移調コントロールです。
Flam	パターンにフラムが含まれている場合、フラムのアタックタイムとノートとの差の大きさをコントロールします。
Source Mix	0の場合、同時に押されているノートがあたかも1つのノートのようにアルペジオ演奏されます。50%の場合、同時に押されているノートが、通常のアルペジエートされたノートに加えてコードとして、両方が同じレベルで聞こえます。100%の場合、押されているコードのみが聞こえます。 コントロール：つまみ（0～100%）。このコントローラはMIDIリモートコントロールに設定でき、プロジェクトの再生中にリアルタイムに変更できます。
Ch	MIDI入力および出力メニュー—アルペジエーターは、このメニューに一覧表示されるMIDIチャンネルにある入力データのみに影響します。アルペジエーターは、トラックに設定された出力チャンネル、およびアルペジエーターのChメニューで指定された追加のチャンネルに、常に従います。
Shape	現在押されているノートを反復する方向を指定するシェイプを選択します。次のシェイプが使用できます。 Rhythm（Rateで指定したタイミングで鳴る） Forward Reverse Forward Circle 1 Reverse Circle 1 Forward Circle 2 Reverse Circle 2 Inward Outward Inward Circle Outward Circle As Played As Played Circle Random

 

メモ：ほとんどのアルペジエーターのパラメーターは、MIDIリモートコントロールからコントロールできますが、オートメーションデータはトラックに記録できません。詳細については、つまみ、ボタン、フェーダーをリモートコントロールするを参照してください。

 

関連項目：

アルペジエーターの使用方法