プラグインシンセのオーディオ録音

演奏をMIDIデータとして録音できるだけでなく、プラグインシンセのオーディオ出力を任意のオーディオトラックにリアルタイムで録音することができます。この場合、プラグインシンセを外部のハードウェアシンセサイザーのように扱うことができます。

プロジェクトにプラグインシンセが含まれている場合、プラグインシンセの各オーディオ出力は、オーディオトラックの入力ソースとして表示されます。プラグインシンセの出力が複数ある場合、各出力からのオーディオを別々のオーディオトラックに録音できます。

オーディオ出力のみを録音することも、MIDI入力とオーディオ出力を同時に、別々のトラックで録音することもできます。

メモ：MIDI入力とオーディオ出力の両方を録音する場合、再生時にオーディオのダブリングやフェージングによる問題を避けるために、一方のトラックをミュートしてください。

プラグインシンセのオーディオ出力の録音は、次のようにさまざまな理由で必要になる場合があります。

パフォーマンスのニュアンスをリアルタイムで取り込む。

SONARの高度なオーディオツールを使用してシンセを処理する（AudioSnap、VocalSync、エンベロープオートメーションなど）。

シンセパフォーマンスからグルーブクリップを作成する。

プラグインシンセのUIでコントローラを操作しながらMIDI演奏を再生する。これは特に、オートメーションが不可能なプラグインシンセのコントローラを操作する場合に便利です。

インストゥルメントトラックの種類

プロジェクトで使用しているインストゥルメントトラックの種類によって、プラグインシンセからのオーディオを録音する操作手順がわずかに異なります。 SONARでは、インストゥルメントトラックの種類として次の2種類がサポートされています。

インストゥルメントトラック：プラグインシンセのMIDI入力とメインオーディオ出力が単一のトラックストリップで組み合わされます。 MIDIデータの録音に使用できるのはインストゥルメントトラックのみです。 プラグインシンセのオーディオ出力を録音する場合は、別のオーディオトラックに録音する必要があります。

スプリットインストゥルメントトラック：プラグインシンセの使用可能な各出力と単一のソース用MIDIトラックに対して別々のオーディオトラックを作成できます。 プラグインシンセのオーディオ出力は、分割オーディオトラックに直接録音できます。

新しいプラグインシンセを挿入する際には、プラグインシンセの挿入オプションダイアログで、インストゥルメントトラックの種類を指定します。詳細については、 プラグインシンセを使うおよびプラグインシンセの挿入オプションダイアログを参照してください。

インストゥルメントトラックとスプリットインストゥルメントトラックは、デフォルトのトラックアイコンで容易に識別できます。スプリットインストゥルメントトラックには波形プレビューボタンも含まれています。インストゥルメントトラックにはインプットモニターボタンが含まれています。

 

 

A：スプリットインストゥルメントトラックアイコン  B：インストゥルメントトラックアイコン  

 

メモ：プラグインシンセを挿入する際にトラックを作成しないことも可能です。その場合、シンセはシンセラックビューのみに表示されます。（シンセラックの使用 を参照）。シンセラックにのみ表示されているプラグインシンセのオーディオを録音するには、まず1つ以上のMIDIトラックと1つのオーディオトラックを挿入し、このMIDIトラックの出力とオーディオトラックの入力をプラグインシンセに割り当てる必要があります。詳細については、トラックの挿入 を参照してください。

関連項目：

インストゥルメントトラック

オーディオおよびMIDIトラックの単一インストゥルメントトラックへの変換

インストゥルメントトラックの個別のオーディオおよびMIDIトラックへの分離

 

プラグインシンセをリアルタイムでトリガーする

録音中にリアルタイムでプラグインシンセをトリガーするには、いくつかの方法があります。

外部のMIDIコントローラを使用する（MIDIコントローラやMIDIキーボードを使ってプラグインシンセをリアルタイムに演奏する を参照）。

SONARのオンスクリーンバーチャルキーボードコントローラを使用する（バーチャルコントローラ/キーボード を参照）。

プラグインシンセのUIを操作する（プラグインシンセのプロパティページを開く を参照）。

録音済みのMIDIデータを再生する（録音済みのMIDIデータをプラグインシンセで再生する を参照）。

オーディオのみを録音する

プラグインシンセを外部のハードウェアシンセサイザーのように使用して、MIDI演奏の代わりにシンセオーディオのみを録音することもできます。

インストゥルメントトラックを使用する：

1.	プラグインシンセのオーディオを録音するための新しいオーディオトラックを挿入します。詳細についてはトラックの挿入を参照してください。

2.	オーディオトラックのインプットコントロールをクリックして、使用可能なすべてのインプットを表示します。次に、録音するプラグインシンセの名前をポイントして、目的のシンセ出力を選択します。インプットコントロールは、トラックインスペクタ、トラックビュー、コンソールビューで使用できます。詳細については録音ソースの選択を参照してください。

3.	オーディオトラックを録音待機状態にします。詳細についてはトラックの録音待機を参照してください。

4.	録音を開始します。詳細についてはオーディオの録音方法を参照してください。

図364. 新しいオーディオトラックを挿入し、インプットコントロールを目的のプラグインシンセ出力に割り当て

 

メモ：インプットコントロールが表示されていない場合は、トラック表示部の上部にあるトラックコントロールボタンをクリックして、Allを選択します。詳細については、トラックの表示設定を変更するを参照してください。また、トラックを下方向へドラッグして、完全に展開してください。

スプリットインストゥルメントトラックを使用する：

1.	分割オーディオトラックを録音待機状態にします。

2.

録音を開始します。

MIDIとオーディオを同時に録音する

MIDI演奏とシンセオーディオを別々のトラックに録音できます。

インストゥルメントトラックを使用する：

1.	インストゥルメントトラックをMIDI録音待機状態にします。

2.	プラグインシンセのオーディオを録音するための新しいオーディオトラックを挿入します。

3.	オーディオトラックのインプットコントロールをクリックして、使用可能なすべてのインプットを表示します。次に、録音するプラグインシンセの名前をポイントして、目的のシンセ出力を選択します。

4.	オーディオトラックを録音待機状態にします。

5.

録音を開始します。

スプリットインストゥルメントトラックを使用する：

1.	分割MIDIトラックを録音待機にします。

2.	分割オーディオトラックを録音待機状態にします。

3.

録音を開始します。

再生時にMIDIとオーディオのダブリングを避ける

MIDI入力とシンセオーディオ出力を別々のトラックに録音した場合、再生時にダブリングやフェージングによる問題を避けるには、録音したMIDIデータをミュートする必要があります。シンセのMIDIトラックを完全にミュートすることも、個々のテイクレーンをミュートすることもできます。

関連するオーディオトラックがミュートされないように、シンセラックのシンセの設定メニューでスマートミュート オンを必ず無効にしてください 。(詳細については、スプリットインストゥルメントトラックのスマートミュートとプラグインシンセをミュートまたはソロにするを参照してください。)

スプリットインストゥルメントトラックのスマートミュート

バーチャルインストゥルメントのMIDIトラックをソロまたはミュートにする場合、SONARでは、ソロまたはミュートにしたトラックを適切に再生できるように、オーディオ/MIDIトラックの関連セットのミュートまたはソロも自動的に処理されます。

スプリットインストゥルメントトラックでのオーディオ録音を可能にするために、スプリットインストゥルメントトラックでのデフォルトの動作はスマートミュートではなくなりました。初期設定では、プラグインシンセ用にMIDI/オーディオトラックを個別にミュートできるようになりました。

スプリットインストゥルメントトラックでスマートミュートを有効にするには、シンセラックビューを開き、シンセの設定メニューをクリックし、ドロップダウンメニューのスマートミュート オンを選択します。

図365. シンセラックビュー

パンチ録音

インプットが必ず存在するハードウェア入力の録音とは異なり、プラグインシンセから生成されるオーディオでは、少なくとも1バッファサイズ分の遅延が常に発生します。これは、プリロールバッファリングが原因です。結果として、プラグインシンセからのオーディオを録音できるのは、このバッファがシンセによって処理された後のみになります。

通常録音時とパンチ録音時には、SONARにより、プリロールバッファリング分の調整が行われ、録音したオーディオがMIDIイベントと同期するようにタイムライン上の正しい位置に配置されます。（再生中に録音を有効にして）オンザフライでパンチインを行った場合、正確に言えば少し先（パンチインタイム+ 1バッファ分）の部分を打ち込んでいることになります。ただし、この遅延は通常、レイテンシが低い場合には知覚できない程度のものです。

パンチ録音時には、現在の録音モードによって、録音済みのオーディオが聞こえるかライブオーディオが聞こえるかが決まります。ライブオーディオのみが聞こえるようにするには、上書き録音モードを使用します。

 

関連項目：

パンチ録音

録音モード

ミキシングレイテンシ

プラグインの遅延補正

録音

シンセトラック

プラグインシンセを使う

インストゥルメントトラック

オーディオおよびMIDIトラックの単一インストゥルメントトラックへの変換

インストゥルメントトラックの個別のオーディオおよびMIDIトラックへの分離

録音済みのMIDIデータをプラグインシンセで再生する

MIDIコントローラやMIDIキーボードを使ってプラグインシンセをリアルタイムに演奏する

プラグインの遅延補正